コラム – 候補テーブルの作り方 | パズル製作研究所
候補テーブルを作る理由
候補テーブルを作る理由の 1 つ目は 9 つの数字別ボードを 1 度に見れるからです。
数字別ボードと候補テーブルには深い関係があります。 ボードと 9 つの数字別ボードから候補テーブルが作れます。 逆に、候補テーブルからはボードと 9 つの数字別ボードが作れます。 つまり、候補テーブルと数字別ボードは下の図のようにほぼ 1 対 1 の関係にあります。 候補テーブルは数字別ボードをすべてまとめてボード上に書いたものとみなせます。
では、数字別ボードを使って問題を解くのではダメなのでしょうか? 数字別ボードを使うことには 2 つの問題があります。
- ボードとは別に数字別ボードを作る必要があるので場所をとります。 紙面上で問題を解く場合には、数字別ボードを書く場所がありません。
- 数字を空白のセルに入れるたびに 9 つある数字別ボードをそれぞれ更新しないといけません。
数字別ボードはテクニックの説明に使うとわかりやすいのですが、実際に問題を解くには不向きです。 一方で、候補テーブルはボード上に候補集合を書いて作るので追加の場所が必要ありません。 また、数字を空白のセルに入れるたびに更新する必要はありますが、1 つの候補テーブルの更新だけで済みます。
候補テーブルを作る理由の 2 つ目はテクニックを使える場所を見つけるためです。
テクニック 4 まではボードを見てテクニックを使えそうな場所を探すことができます。 しかし、テクニック 5 以降は、テクニックを使える場所を見つけるのが候補テーブルを使わないと難しいです。
候補テーブルの作成は手間がかかりますが、数字別ボードの便利さ、強力さを利用できるようになります。
候補テーブルを作るタイミング
テクニック 5 以降のテクニックが必要になったときに候補テーブルを作ることを推奨します。
候補集合が 1 つの数字になるとその空白のセルにはその数字が入ります。 また、テクニック 7 以降のテクニックは候補集合から数字を消すテクニックです。 つまり、候補集合の中の数字は少ない方が問題を解きやすくなります。 このことから、候補テーブルを作る前にはできる限り多くのテクニックを使って、候補集合の数字が少なくなるように数字を入れておきたいです。
テクニック 4 までのテクニックは候補テーブルが無くても、数字を入れる空白のセルを見つけやすいです。 一方で、テクニック 5 とテクニック 6 で数字を入れる空白のセルは、候補テーブルがないと見つけるのは難しいです。
候補テーブルを作ること自体も手間がかかるのでバランスを考えて、テクニック 5 以降のテクニックを使うタイミングが 1 番良いと判断しました。 もちろん、このタイミングは強制ではないので自分の好きなタイミングで作って構いません。
候補テーブルの作成手順
下の図を例題として使います。
テクニック 4 までのテクニックを使って解き進めると下の図のようになります。
テクニック 4 までのテクニックでは解くことができなかったので、テクニック 5 以降のテクニックが必要です。 そこで、候補テーブルを作ります。
まず、数字の 1 に注目します。 枠を順番にみて、枠の中に数字の 1 が無い枠に注目します。 ここでは上段中央の枠に注目します。
すでにボード上に出てきている数字の 1 に注目し、その影響領域と枠の領域が重なる領域に注目します。
すると、座標が (2, 5)、(3, 5) の空白のセルはどちらにも数字の 1 が入る可能性があります。 そこで、空白のセルの中に小さく数字の 1 をメモとして書きます。
右上の枠についても同じ手順を繰り返します。
数字の 1 について、枠の中に数字の 1 が無い枠で同じ手順を繰り返します。
同じ手順を数字の 2 から 9 まで繰り返すと候補テーブルが完成します。