テクニック13 – シンプルチェイン | パズル製作研究所
テクニックの概要
テクニック 12 では XY チェインというチェインを作りました。 テクニック 13 ではシンプルチェインというチェインを作ります。 作るチェインは違いますが、基本的な考え方はテクニック 12 の場合と同じです。
初めに 1 つの数字に注目します。 候補集合が注目した数字を含む空白のセルをシンプルチェインで次々につなぎます。
シンプルチェインでつながれた最初と最後の 2 つの空白のセルには次の特徴があります。 それは、最初のセルに注目した数字が入らないことが決まると、最後のセルに注目した数字が入ることです。
テクニック 12 の場合と同じようにこの特徴を使うと、シンプルチェインでつながれた 2 つの空白のセルのそれぞれの影響領域が重なる領域に含まれる空白のセルの候補集合から注目した数字を消せます。
テクニック 11 はテクニック 13 の特殊な場合と考えられます。
シンプルチェインの作り方
初めに 1 つの数字に注目します(図では数字の 6)。 候補集合が注目した数字を含む空白のセルの 1 つに注目します。 このセルを A とします(図では座標が (1, 5) のセル)。
次にセル A と注目した数字について強リンクしているセルを探します。 強リンクしているセルの 1 つを B とします(図では座標が (6, 5) のセル)。
次にセル B と注目した数字についてリンクしているセルを探します。
必ずしも注目した数字について強リンクしている必要はありません。 リンクしているセルの 1 つを C とします(図では座標が (5, 6) のセル)。
次にセル C と注目した数字について強リンクしているセルを探します。
強リンクしているセルの 1 つを D とします(図では座標が (5, 8) のセル)。 このとき、セル A とセル D はシンプルチェインでつながっていると呼びます。 このシンプルチェインでつながっているセルの数は 4 つで、シンプルチェインの長さは 3 です。
シンプルチェインを作るときの注意点は次の通りです。
- 奇数番目のリンクは強リンクで、偶数番目のリンクは通常のリンクです。
- シンプルチェインでつながるセルの数は偶数個です。
上の例でセル D で終わらずに、さらにシンプルチェインをつなげることもできます。 ただし、
- 途中でループ(輪)ができてはいけません。
- 偶数番目のリンクは強リンクでもかまいません。
- 偶数番目のリンクが強リンクだとしても、次の奇数番目のリンクを通常のリンクにしてはいけません。奇数番目のリンクは必ず強リンクです。
- 偶数番目のリンクが強リンクだとしても、そこで終了してはいけません。チェインの長さは奇数です。
シンプルチェインの特徴
シンプルチェインには、最初のセルに注目した数字が入らないことが決まると、最後のセルに注目した数字が入る特徴があります。 A -> B -> C -> D というシンプルチェインで確認します。
最初のセル A に注目した数字が入らないとします。 するとセル A とセル B は強リンクしているので、セル B には注目した数字が入ります。 セル B とセル C はリンクしているので、セル B に注目した数字が入ることが決まると、セル C に注目した数字は入りません。
セル C とセル D は強リンクしているので、セル C に注目した数字が入らないことが決まると、セル D に注目した数字が入ります。
これでシンプルチェインの特徴を確認できました。 この特徴はシンプルチェインの長さが長くなっても成り立ちます。
テクニックの使用例
下の図を例題として使います。
テクニック 12 までのテクニックを使って解き進めると下の図のようになります。
数字の 6 に注目します。 次に座標が (1, 3) のセルに注目します。
このセルと強リンクしているセルを探します。
座標が (1, 6)、(2, 1)、(3, 9) のセルがそれぞれ座標が (1, 3) のセルと数字の 6 について強リンクしています。
ここでは、座標が (1, 6) のセルに注目します。
次に、このセルと数字の 6 についてリンクしているセルを探します。
座標が (1, 3)、(2, 4)、(2, 6)、(7, 6) のセルがそれぞれ座標が (1, 6) のセルと数字の 6 についてリンクしています。 座標が (1, 3) のセルについては、戻るとループができるので図では省いています。 ここでは、座標が (7, 6) のセルに注目します。
次に、このセルと数字の 6 について強リンクしているセルを探します。
座標が (7, 1)、(9, 4) のセルがそれぞれ座標が (7, 6) のセルと数字の 6 について強リンクしています。 ここまでで (1, 3) -> (1, 6) -> (7, 6) -> (7, 1) と (1, 3) -> (1, 6) -> (7, 6) -> (9, 4) の 2 つのシンプルチェインが見つかりました。
(1, 3) -> (1, 6) -> (7, 6) -> (7, 1) のシンプルチェインに注目します。 座標が (1, 3) と (7, 1) のセルの影響領域が重なる領域には数字の 6 を候補集合に含む空白のセルがあります。
それらの空白のセルの候補集合から数字の 6 を消します。
(1, 3) -> (1, 6) -> (7, 6) -> (9, 4) のシンプルチェインに注目した場合も、座標が (9, 3) の空白のセルの候補集合から数字の 6 を消せます。 どちらのシンプルチェインを使ってもよかったのですが、同時に使うことは禁止です。 1 つのシンプルチェインを使って候補集合から数字の 6 を消したら、別のシンプルチェインはなくなる可能性があるからです。
今見つけた 2 つのシンプルチェイン以外にもシンプルチェインがあります。 探してみてください。
テクニックの詳細手順
- 1 つの数字に注目します。
- 候補集合が注目した数字を含む空白のセルに注目します。
- シンプルチェインの作り方にしたがって注目した空白のセルから始まるシンプルチェインを探します。
- シンプルチェインの最初のセルと最後のセルの影響領域が重なる領域に注目します。
- 注目した数字が候補集合に含まれる空白のセルが注目した領域にある場合は、候補集合から注目した数字を消しテクニック 1 に戻ります。
- 候補集合から注目した数字が消せない場合は、次のシンプルチェインを試します。
- シンプルチェインがない場合は次の空白のセルに注目します。
- 候補集合が注目した数字を含むすべての空白のセルについて、候補集合から数字を消せなかった場合は、次の数字を試します。
- すべての数字について候補集合から数字を消せなかった場合はそのナンバープレースの問題は解けません。